USED BOOK BOX

使用されなくなった公衆電話ボックスを、地域住民が思い入れのある古本を持ち寄りシェアする小さな図書室に改修した。本を地域の資産と捉え、本を介した新たなコミュニティの醸成を図っている。 ボックス内に設置した本棚は、限られたスペースのなかでの施工・解体が容易になるよう、持ち運びできる箱を積み上げ、特大のペーパークリップで箱同士を緊結している。 敷地|三重県四日市市竣工|2021.04用途|図書室 プロジェクトチーム設計|ishau施工|杉野哲嗣(スギノトーキ)、ホリベ硝子企画|諏訪新道発展会のみなさん写真|Yurika Kono

ガードパイプハッキング

新型コロナウイルス感染症に対し第一線で働かれている医療従事者、営業時間短縮を余儀なくされている飲食店、そしてニューノーマルな日々の生活に適応しようと頑張る全ての人たちに対しエールを送るアクション「代官山クラップ」に賛同し、八幡通り沿いのガードレールに「ハート」をテーマにしたバナーを3日間展示した。他団体も合わせて80枚のバナーが通りを彩った。 困難な状況に立ち向かう人間の多様性を、縦横無尽に貼った色とりどりのマスキングテープやビニルテープで、困難な状況に立ち向かう人間の一致団結した想いを、白抜きのハートで表現した。 敷地|東京都渋谷区竣工|2021.02用途|バナー プロジェクトチーム設計|ishau企画|代官山クラップ実行委員会

四日市市中心市街地立体駐車場建替計画

老朽化により耐震改修もしくは建替えが望まれる立体駐車場の将来計画。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなかでの検討となったが、屋根付きのオープンスペースという空間特性をもつ立体駐車場の、地域コミュニティ施設としての可能性を認識する機会となった。 現駐車場利用者や地域住民へのアンケート調査や先進事例調査等から、駐車場機能だけでなく、特にグランドレベルにおいて街に開いたカフェやショップを入れるなど、複合施設として計画した。フラット型を採用して見通しを確保しつつ、上層階では吹き抜けを利用したイベントスペースや、屋上には街を見返す視点場となる空間を設けるなど、ウォーカブルな都市を目指すにふさわしい、地域交流の拠点として計画した。 敷地|三重県四日市市計画検討|2020.09-2021.01用途|駐車場構造|S造階数|地上5階延床面積|7,500㎡ プロジェクトチーム設計|ishau委員会運営|四日市諏訪商店街振興組合

スワ屋台

マルシェやマーケットイベントが盛んな四日市市諏訪新道商店街において、出店者が容易に使用できるポータブル屋台を開発した。 この屋台は、□30×40の角材をボルト、ワッシャー、ナットで留め、収納時には一枚の板状に折りたためるようになっている。また、運搬時と使用時に1人で扱えること、軽トラックで運搬できることなどからサイズを調整し、使い勝手を高めた。屋台の製作は商店街で陶器屋を営みながら大工作業が得意な杉野さん、屋根に掛けた布へのロゴの刺繍はミシン屋の岩崎さんが行ったほか、多数の地域イベント仕掛人である祭り用具店の柳川さんや、飲食店オーナーの山崎さん、文具屋の服部さん、着物屋の川口さん、仏具屋の水谷さんたちからは、出店者としての使い勝手等に意見を寄せていただくなど、専門店が集う商店街組織だからこそできるこだわりある屋台が製作できた。ちなみに、横から見ると諏訪(スワ)新道の「ス」の字型になっている。 敷地|三重県四日市市竣工|2020.3用途|屋台 プロジェクトチーム設計|ishau施工|杉野哲嗣(スギノトーキ)   ロゴ刺繍:岩崎 聡太(岩崎ブラザーミシン)企画|諏訪新道発展会のみなさん写真|Yurika Kono

Tベンチ

JR立川駅南口、ペデストリアンデッキ下の歩道に設置したベンチ。2020年3月に立川南口まちづくり協議会が実施した社会実験「立川駅南口高架下「TERASU」プロジェクト」において滞留空間の創出と共にベンチを仮設したところ、地域からの好評を博したことから、2020年12月に5基が常設化した。ベンチの設置にあたり、道路管理者との協議により既製品部材の使用が求められたこと、製作プロセスから市民を巻き込んでいくことから、300×300のH型綱の上に90角の木材を載せる極めてシンプルな構成としながら、鉄部および木部への塗装は、大学生や地域の子どもたちとのワークショップで実施した。ちなみに、ベンチを横から見るとTachikawaの「T」の字型になっている。 敷地|東京都立川市竣工|2020.12用途|ベンチ プロジェクトチーム設計|ishau施工|DIY製作:立川南口まちづくり協議会・東京経済大学・ishau木材提供|NPO法人ベルデ企画|立川南口まちづくり協議会

ストリートファイト-人間の街路を取り戻したニューヨーク市交通局長の闘い-

歩行者空間化したタイムズスクエア、まちに溢れるプラザや自転車レーン。かつて自動車が幅を利かせていたニューヨークの街路は、歩行者と自転車が主役の空間へと変貌を遂げた。小さな実践を足掛かりに大きく都市を変え、人間のための街路を勝ち取った、元ニューヨーク市交通局長による臨場感とアイデアに満ちた闘いの記録。[amazon] 監訳者|中島 直人翻訳者|石田 祐也、関谷 進吾、三浦 詩乃原著者|ジャネット・サディク=カーン、セス・ソロモノウ出版社|学芸出版社発売日|2020.09.10

長崎のアトリエの改修*

「長崎の住宅」と同じ敷地に、1933年に建てられたアトリエの改修。昭和初期から戦前に豊島区長崎周辺で形成された「アトリエ村」の影響を受けているもので、彫刻のアトリエらしく、作品搬出用の扉の設置や北側採光の確保が施されており、その文化的な価値の高さから、着工前の2019年10月に豊島区登録有形文化財に認定された。 この歴史的建造物の改修にあたって、アトリエが使われていた当時の温度感を残すため、内装の仕上げはほぼクリーニングと建具の取替えのみとしつつ、外装では元々つながっていた母屋をかたち取るように、目地を切り、他の面と同じ杉板下見板貼りとした。さらに、母屋の廊下に面していた開口部はガラスで覆うなど、当時の記憶を保存する手立てを幾らか施している。 敷地|東京都豊島区竣工|2020.06用途|アトリエ構造|木造階数|地上1階延床面積|34.8㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*施工|幹建設写真|太田拓実

カバンカンバン

合板とパラコード(アウトドアで使用されるナイロン製丸紐)で製作した、ポータブル性に長けたA型看板。 2020年3月に立川南口まちづくり協議会が実施した社会実験「立川駅南口高架下「TERASU」プロジェクト」において、出店者情報を掲載する看板として設計した。蝶盤で連結した2枚の9mm合板に2箇所ずつ穴を空け、そこに適切な長さに調整したパラコードを通している。このパラコードが、持ち運ぶ際は取手として、また看板として設置する際は合板が一定以上開かないようにする留め具として機能することで、必要な部材を最小限に抑え、ポータブル性の向上を図った。 敷地|東京都立川市竣工|2020.3用途|A型看板 プロジェクトチーム設計|ishau施工|ishau企画|立川南口まちづくり協議会

長崎の住宅*

彫刻家の祖父・父をもつ家族の個人住宅。 施主の父の作品「花」や「切り込まれた形」に着想を得て、直方体上面の4つの頂点に対して、4つの異なる直方体を噛み合わせることで、適度に分節しながらも、緩やかに繋がる内部空間の関係性を考えた。動線の先に必ず窓を設置し、屋外の彫刻作品、紅葉、隣接するアトリエ棟などを絵のように切り取るように見せ、限られた空間の中でも屋外の要素と視覚的につながる豊かな空間体験を試みている。また、特徴的なファサードをもつ外壁では、板金屋と共にリブ付横葺きを独自開発。マッシブなヴォリュームに対して、異なるピッチをもったリブが軽やかなリズムを与えている。 敷地|東京都豊島区竣工|2019.08用途|個人住宅構造|木造階数|地上2階延床面積|95.2㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*構造設計|MID研究所施工|幹建設写真|太田拓実

IZAKAYA”KONOJI”*

ギリシャのDomés International Review of Architectureが主催するコンペティション「COOK8 International Design Competition」(参加者数:280組)にて佳作に選ばれ、アテネのBenaki museumにて1/10スケールの模型の展示を行った。 本コンペでは8人の人々が食を通して交流する空間のデザインが求められた。我々は日本の居酒屋の理想形とされている「コの字」カウンターをインスピレーションに、友人同士はもちろん、他人同士が偶発的に食や店主を介して結びつく空間を提案した。 展示|2018.06-07 プロジェクトチーム設計|ヌーブ*

矢吹町一区自治会館*

・歩いて楽しい木のまちなみをつくる東日本大震災で甚大な被害を受けた矢吹町。我々は震災後から四年間地域の方々や専門家と恊働し、「復興まちづくりプラン」を町に提案した。これは内陸被災地だから可能な、中心市街地をまちなか居住の場とする計画で、新しい復興計画のベースとなった。一区自治会館は「歩いて楽しいまち」を実現する、新たな復興計画のモデルとなる建築を目指した。対面する復興公営住宅と外装の色と素材を合わせ、一帯を新しい木造の景観を一体的に形成する「景観モデル地区」と位置づけ、将来的な景観整備への布石とした。 ・居場所としてのまちキッチン建物の中心には、普段時は住民のたまり場として、災害時は炊出場として機能する「まちキッチン」を設置した。 ・木とスチールによる軽やかなハイブリッド構造シェルペンスキーのフラクタル三角形に着想を得て、ユニットの組立てを繰り返すことで1辺10mの大屋根を架けられるシェルペンスキー・トラスを開発。垂直荷重に対し圧縮のかかる斜材に木材を、引張のかかる底辺材にスチールを使うことで、部材断面を抑えた。上り梁の断面が大きくなり頂部の納まりが面倒になる通常の方形屋根と異なり、頂部は各ユニット頂部と同様の簡易な納まりとなっている。 敷地|福島県西白河郡矢吹町竣工|2016.07用途|集会場構造|木造階数|地上2階延床面積|423.85㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*構造設計|MID研究所設備設計|エム設備設計事務所照明設計|ぼんぼり光環境計画施工|伸和建設写真|淺川敏

ghost table

京橋AGC studioにて2013年12月から3ヶ月間開催された、最先端のガラスエンジニアリング事例を紹介する展覧会「STEPS IN THE AIR展」に合わせて設計した。 展示計画にあたり、文字や写真などの展示情報が浮遊して見える状況をつくりだすことを試みた。それを可能にしたのがAGCが開発したLeoflex®という化学強化特殊ガラスである。 ghost tableは、Leoflexの天板に対して、同じくLeoflex4枚で構成する脚部によって支持するという極めてシンプルな構成となっている。使用したLeoflex板の厚さはわずか0.85mmで、驚くほど物質感を感じさせない。このLeoflexの透明感と軽さを最大限に活かすため、脚と天板をネオジム磁石で挟み込んで接合している。また、磁石に挟み込んだプレートからブレース材としてワイヤーを配することで横力に対応させている。 また、展示情報をLeoflex天板底面に直接印刷することで、表面のガラスの平滑性を保持した。これにより、Leoflexがもつ存在の希薄さをできるだけ維持し、展示情報のみが展示空間にあたかも浮かんでいるかのように演出することに成功している。 敷地|東京都中央区展示期間|2013.12-2014.03用途|展示什器 プロジェクトチーム設計|樫原徹+石田祐也施工|MAPALUS写真|太田拓実