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三重県四日市市諏訪町にある、創業89年の文房具屋「香久屋」のリノベーション。 文房具を含めた雑貨のほか、駄菓子の販売やカフェスタンドとして業態を変更するため、様々なサイズの商品陳列にも対応したオリジナルの有孔壁「ディスプレイウォール」を設置。ディスプレイウォールの穴には、サイン看板や照明等も取り付く納まりとし、限られた空間の有効活用を図った。丸太梁や木の床タイル等、創業当時から残る仕上げは極力残しつつ、新たに仕上げる壁や什器なども、長年愛される商品が多い駄菓子や文具を扱う店舗に相応しく、時間の経過とともに手垢がつき、風合いが増す自然素材による仕上げとした。 運営面についても、計画時からミーティングを重ね、地元のママさんや学生が日替わりでカフェスタンドに立つことに。下校中の小学生たちや帰宅中のワーカーらの格好の憩いの場となった。 敷地|三重県四日市市竣工|2024.03用途|物販・飲食店舗構造|木造階数|地上2階整備面積|70㎡ プロジェクトチーム設計|ishau施工|小川建築グラフィックデザイン|こものデザイン研究所写真|ウラタタカヒデ
民間所有の有休地において、官民連携によるまちづくり団体の四日市エリアプラットフォームが企画した民設民営広場。キッチントレーラー、取り外し可能なテント屋根等、不動産にあたらない動産のみで構成した。 SUWA MOBILE MARKETには、地元人気店が出店したキッチントレーラーのほか、ポップアップショップやキッチンカーの出店スペース、オリジナルのベンチやテーブルを配したデッキスペース、地元住民が発足した「諏訪新道園芸部」の活動拠点である菜園スペースを配置した。 敷地|三重県四日市市竣工|2024.3用途|広場整備面積|140㎡ プロジェクトチーム設計|ishau ベンチ・テーブル:MEMENT施工|デッキ:亀遊 キッチントレーラー・舗装:VEGE FARM KOMONO ベンチ・テーブル:BROOK FURNITURE CENTER テント:アビオン 設備:スイセイ設備企画|四日市エリアプラットフォーム
国土交通省官民連携まちなか再生推進事業による四日市エリアプラットフォームが、四日市の中心市街の4つのエリアを中心に、日常的なにぎわいを生む公共空間の利活用を図る未来像として、「四日市まちなか未来ビジョン」を策定した。弊社は、本ビジョンの策定支援および四日市エリアプラットフォームの事務局支援を行っている。 敷地|三重県四日市市策定|2024.3 プロジェクトチーム策定|四日市エリアプラットフォーム(事務局:諏訪商店街振興組合)策定支援|ishau
路上駐車スペースを1日限定で小さな公園に変える試みである、Park(ing)Dayの意義や実践の様子、そしてPark(ing)Dayを実施した後のまちの変化を紹介する、「Park(ing)Day、まちをかえる」展を開催。公園内の屋外展示スペースにおいて、仮設ラインテープによる横断歩道や白線により道路空間に見立てた空間構成とし、メッシュフェンスによる写真展示、既設の石巻工房によるベンチを活用したパネル展示などを、Park(ing)Dayらしく持ち運びができる什器デザインによって実現した。 敷地|東京都渋谷区北谷公園実施|2024.2.7-11用途|展覧会 プロジェクトチーム主催|一般社団法人ソトノバ協力|合同会社ishau、icai architects、OF THE BOX inc. + miho aoyagi施工|mapalus写真|小野寺宗貴
パブリックスペース活用の歴史や制度を初めて体系化。歴史的変遷を見やすい年表形式で辿るとともに、おさえておきたい政策や法令、条例等、都市に賑わいや居心地を創出するテクニカルなアプローチを国内外の60の制度・プログラムで網羅した。自治体・コンサル・企業・市民・研究者、あらゆる立場で実践に使える待望の教科書。代表・石田が執筆者として、「サンデーパークウェイ」の解説を担当。 編著者|泉山塁威、宋 俊煥、大藪善久、矢野拓洋、林匡宏、村上早紀子、一般社団法人ソトノバ、パブリックスペース活用学研究会執筆者|青木 秀史、猪飼 洋平、石田 祐也、一之瀬 大雅、稲越 誠、ヴァンソン 藤井 由実、上野 美咲、氏原 岳人、江川 海人、江坂 巧、小原 拓磨、郭 東潤、苅谷 智大、木村 希、久保 夏樹、小泉 智史、小林 遼平、佐藤 まどか、染矢 嵩文、田村 康一郎、中島 伸、成清 仁士、西尾 美紀、長谷川 千紘、堀江…
東京駅前の八重洲・日本橋・京橋エリアをウォーカブルなまちにしていくことを目的に、八重洲通りの道路空間の一部を活用し期間限定で創出されたパブリックスペース。ウッドデッキ、植栽プランターやテーブルを設置し、滞留空間の創出を図った。 車道1車線と一部歩道に張り出したデッキでは、縁石を乗り越えるために必ず生じる「段差」をデザインに取り込みながら、段状のベンチや歩道とデッキの高低差を活かしたテーブル等、様々な過ごし方ができる空間をこの狭小な空間に散りばめた。 敷地|東京都中央区実施|2023.10.03-31用途|社会実験 プロジェクトチーム主催|東京駅前地区駐車対策協議会/(一社)東京駅前地区まちづくり推進協議会協力|株式会社交通総合研究所、東邦レオ株式会社、合同会社 ishau設計|ishau施工|東邦レオ+シークレットガーデン写真|Yurika Kono
「飛石」による現代的な参道空間の演出寺社仏閣や日本庭園の舗装で用いられる「飛石」を、擬石平板によって表現。玉砂利のような質感をもつ白色の平板をベースに、島状の部分には平滑で光沢のある黒色の平板を並べた。明治神宮の参道にふさわしい、伝統性と現代性を併せ持つ意匠を目指した。 沿道と連携したマルチユースな空間神宮側区間では、滞留空間を民地側に設置し、沿道との一体的な活用を容易にした。特に、ポニー公園ではゲートを新設することで、街路の滞留空間と公園の一体的な活用を実現している。また、歩車道境界には段差を設けず、ボラードも脱着式とし、街路全体を使ったイベントにも対応した。 明治神宮へとつながる緑の整備参道にふさわしい緑が連続した景観を形成すべく、明治神宮の杜で育った樹木を植樹したほか、保護盤の改修や活力剤の投与などイチョウの生育を助ける仕掛けを施している。 歩行者が主役となる照明計画足下灯で快適な歩行環境を確保しながら、スポットライトによって樹木や壁等に光を当て、印象的な風景を演出し、夜でも安心して歩くことができる環境づくりに寄与した。 敷地|東京都渋谷区規模|幅員:21m、延長:約700m竣工|2022.3(神宮側100mのみ。残り区間は2024年度竣工予定) プロジェクトチームデザイン監修|ishau照明|ぼんぼり光環境計画設計施工|渋谷区
四日市市中心市街を通る国道一号線沿いに建つ、立体駐車場の1階壁面をグラフィティアートで彩るプロジェクト。弊社は、企画立案、グラフィック作成支援、プロジェクトマネジメントを行なった。アートを手掛けたのは、三重県出身のアーティスト・ジャガ一郎氏。幅8.5m、高さ4.0mの壁面には、マンガ等からインスパイアされたオノマトペやオリジナルキャラクターが描かれた。 敷地|三重県四日市市竣工|2023.03用途|グラフィティアート プロジェクトチーム企画|ishau協力|ソトノバ 、四日市エリアプラットフォームアーティスト|ジャガ一郎
松阪市中心市街の商店街において、低未利用化した案内マップ、時計塔などのストリートファニチャーを異なる用途に転換するリノベーション。 案内マップは、地産材を活用した「背もたれベンチ」、商店街店舗や住⺠が一箱単位でオーナーとなり、掲示や展示ができるディスプレイ「箱々掲示板」に。時計塔は、住⺠や来街者が本を共有することでつながる新しいコミュニティのシンボル「USED BOOK TOWER」として計画した。 敷地|三重県松阪市計画|2022.9〜用途|ストリートファニチャー プロジェクトチーム設計|ishau企画|松阪市よいほモール
四日市市のまちなかにおいて、道路や空地を公園のように使う社会実験「オープンストリートインヨッカイチ」*の一環として実施した。 空地を公園のように使う実験的試みである。複数の空地が連なり、通りと通りをつないでいる空間「こみち」を期間限定で開放し、DIYにより製作したテーブル、イス、ラック等のファニチャーを配置。社会実験終了後も四日市事務所内で使用すること、また今後の地域イベントでも活用することを前提条件として、ファニチャーの寸法や仕様を決定した。社会実験では、沿道の表参道スワマエ商店街近隣の洋服屋やスペイン料理店の出店のほか、プランツギャザリングやアンケート調査も兼ねたガーランドづくり等のワークショップも開催した。 敷地|三重県四日市市実施|2021.11用途|社会実験 プロジェクトチーム設計|ishau企画|礒貝桃子設営|アビコミュニティ *オープンストリートインヨッカイチ主催|オープンストリートインヨッカイチ実行委員会後援|四日市市、四日市市教育委員会協力|四日市諏訪商店街振興組合、合同会社ishau
四日市市のまちなかにおいて、道路や空地を公園のように使う社会実験「オープンストリートインヨッカイチ」*の一環として実施した。 道路を公園のように使う実験的試みである。諏訪新道沿いの一街区内を歩行者天国化し、車道の真中にはロングテーブルや演奏ステージ、路上駐車スペースには人工芝マットとスワ屋台による出店を設置。ロングテーブルは、一般的な折り畳み式の長机の脚部に紙管を取り付けつつ、天板には白色のロールペーパーを貼り付けて美装化を図るとともに、机上への書き込みによって簡単なアンケート調査も行なった。社会実験では、沿道の諏訪新道商店街近隣の店舗の出店や、USED BOOK BOXと関連した絵本読み聞かせワークショップなどを開催した。 敷地|三重県四日市市実施|2021.11用途|社会実験 プロジェクトチーム設計|ishau設営|アビコミュニティ *オープンストリートインヨッカイチ主催|オープンストリートインヨッカイチ実行委員会後援|四日市市、四日市市教育委員会協力|四日市諏訪商店街振興組合、合同会社ishau
使用されなくなった公衆電話ボックスを、地域住民が思い入れのある古本を持ち寄りシェアする小さな図書室に改修した。本を地域の資産と捉え、本を介した新たなコミュニティの醸成を図っている。 ボックス内に設置した本棚は、限られたスペースのなかでの施工・解体が容易になるよう、持ち運びできる箱を積み上げ、特大のペーパークリップで箱同士を緊結している。 敷地|三重県四日市市竣工|2021.04用途|図書室 プロジェクトチーム設計|ishau施工|杉野哲嗣(スギノトーキ)、ホリベ硝子企画|諏訪新道発展会のみなさん写真|Yurika Kono
新型コロナウイルス感染症に対し第一線で働かれている医療従事者、営業時間短縮を余儀なくされている飲食店、そしてニューノーマルな日々の生活に適応しようと頑張る全ての人たちに対しエールを送るアクション「代官山クラップ」に賛同し、八幡通り沿いのガードレールに「ハート」をテーマにしたバナーを3日間展示した。他団体も合わせて80枚のバナーが通りを彩った。 困難な状況に立ち向かう人間の多様性を、縦横無尽に貼った色とりどりのマスキングテープやビニルテープで、困難な状況に立ち向かう人間の一致団結した想いを、白抜きのハートで表現した。 敷地|東京都渋谷区竣工|2021.02用途|バナー プロジェクトチーム設計|ishau企画|代官山クラップ実行委員会
老朽化により耐震改修もしくは建替えが望まれる立体駐車場の将来計画。新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなかでの検討となったが、屋根付きのオープンスペースという空間特性をもつ立体駐車場の、地域コミュニティ施設としての可能性を認識する機会となった。 現駐車場利用者や地域住民へのアンケート調査や先進事例調査等から、駐車場機能だけでなく、特にグランドレベルにおいて街に開いたカフェやショップを入れるなど、複合施設として計画した。フラット型を採用して見通しを確保しつつ、上層階では吹き抜けを利用したイベントスペースや、屋上には街を見返す視点場となる空間を設けるなど、ウォーカブルな都市を目指すにふさわしい、地域交流の拠点として計画した。 敷地|三重県四日市市計画検討|2020.09-2021.01用途|駐車場構造|S造階数|地上5階延床面積|7,500㎡ プロジェクトチーム設計|ishau委員会運営|四日市諏訪商店街振興組合
マルシェやマーケットイベントが盛んな四日市市諏訪新道商店街において、出店者が容易に使用できるポータブル屋台を開発した。 この屋台は、□30×40の角材をボルト、ワッシャー、ナットで留め、収納時には一枚の板状に折りたためるようになっている。また、運搬時と使用時に1人で扱えること、軽トラックで運搬できることなどからサイズを調整し、使い勝手を高めた。屋台の製作は商店街で陶器屋を営みながら大工作業が得意な杉野さん、屋根に掛けた布へのロゴの刺繍はミシン屋の岩崎さんが行ったほか、多数の地域イベント仕掛人である祭り用具店の柳川さんや、飲食店オーナーの山崎さん、文具屋の服部さん、着物屋の川口さん、仏具屋の水谷さんたちからは、出店者としての使い勝手等に意見を寄せていただくなど、専門店が集う商店街組織だからこそできるこだわりある屋台が製作できた。ちなみに、横から見ると諏訪(スワ)新道の「ス」の字型になっている。 敷地|三重県四日市市竣工|2020.3用途|屋台 プロジェクトチーム設計|ishau施工|杉野哲嗣(スギノトーキ) ロゴ刺繍:岩崎 聡太(岩崎ブラザーミシン)企画|諏訪新道発展会のみなさん写真|Yurika Kono
JR立川駅南口、ペデストリアンデッキ下の歩道に設置したベンチ。2020年3月に立川南口まちづくり協議会が実施した社会実験「立川駅南口高架下「TERASU」プロジェクト」において滞留空間の創出と共にベンチを仮設したところ、地域からの好評を博したことから、2020年12月に5基が常設化した。ベンチの設置にあたり、道路管理者との協議により既製品部材の使用が求められたこと、製作プロセスから市民を巻き込んでいくことから、300×300のH型綱の上に90角の木材を載せる極めてシンプルな構成としながら、鉄部および木部への塗装は、大学生や地域の子どもたちとのワークショップで実施した。ちなみに、ベンチを横から見るとTachikawaの「T」の字型になっている。 敷地|東京都立川市竣工|2020.12用途|ベンチ プロジェクトチーム設計|ishau施工|DIY製作:立川南口まちづくり協議会・東京経済大学・ishau木材提供|NPO法人ベルデ企画|立川南口まちづくり協議会
歩行者空間化したタイムズスクエア、まちに溢れるプラザや自転車レーン。かつて自動車が幅を利かせていたニューヨークの街路は、歩行者と自転車が主役の空間へと変貌を遂げた。小さな実践を足掛かりに大きく都市を変え、人間のための街路を勝ち取った、元ニューヨーク市交通局長による臨場感とアイデアに満ちた闘いの記録。[amazon] 監訳者|中島 直人翻訳者|石田 祐也、関谷 進吾、三浦 詩乃原著者|ジャネット・サディク=カーン、セス・ソロモノウ出版社|学芸出版社発売日|2020.09.10
「長崎の住宅」と同じ敷地に、1933年に建てられたアトリエの改修。昭和初期から戦前に豊島区長崎周辺で形成された「アトリエ村」の影響を受けているもので、彫刻のアトリエらしく、作品搬出用の扉の設置や北側採光の確保が施されており、その文化的な価値の高さから、着工前の2019年10月に豊島区登録有形文化財に認定された。 この歴史的建造物の改修にあたって、アトリエが使われていた当時の温度感を残すため、内装の仕上げはほぼクリーニングと建具の取替えのみとしつつ、外装では元々つながっていた母屋をかたち取るように、目地を切り、他の面と同じ杉板下見板貼りとした。さらに、母屋の廊下に面していた開口部はガラスで覆うなど、当時の記憶を保存する手立てを幾らか施している。 敷地|東京都豊島区竣工|2020.06用途|アトリエ構造|木造階数|地上1階延床面積|34.8㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*施工|幹建設写真|太田拓実
合板とパラコード(アウトドアで使用されるナイロン製丸紐)で製作した、ポータブル性に長けたA型看板。 2020年3月に立川南口まちづくり協議会が実施した社会実験「立川駅南口高架下「TERASU」プロジェクト」において、出店者情報を掲載する看板として設計した。蝶盤で連結した2枚の9mm合板に2箇所ずつ穴を空け、そこに適切な長さに調整したパラコードを通している。このパラコードが、持ち運ぶ際は取手として、また看板として設置する際は合板が一定以上開かないようにする留め具として機能することで、必要な部材を最小限に抑え、ポータブル性の向上を図った。 敷地|東京都立川市竣工|2020.3用途|A型看板 プロジェクトチーム設計|ishau施工|ishau企画|立川南口まちづくり協議会
彫刻家の祖父・父をもつ家族の個人住宅。 施主の父の作品「花」や「切り込まれた形」に着想を得て、直方体上面の4つの頂点に対して、4つの異なる直方体を噛み合わせることで、適度に分節しながらも、緩やかに繋がる内部空間の関係性を考えた。動線の先に必ず窓を設置し、屋外の彫刻作品、紅葉、隣接するアトリエ棟などを絵のように切り取るように見せ、限られた空間の中でも屋外の要素と視覚的につながる豊かな空間体験を試みている。また、特徴的なファサードをもつ外壁では、板金屋と共にリブ付横葺きを独自開発。マッシブなヴォリュームに対して、異なるピッチをもったリブが軽やかなリズムを与えている。 敷地|東京都豊島区竣工|2019.08用途|個人住宅構造|木造階数|地上2階延床面積|95.2㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*構造設計|MID研究所施工|幹建設写真|太田拓実
ギリシャのDomés International Review of Architectureが主催するコンペティション「COOK8 International Design Competition」(参加者数:280組)にて佳作に選ばれ、アテネのBenaki museumにて1/10スケールの模型の展示を行った。 本コンペでは8人の人々が食を通して交流する空間のデザインが求められた。我々は日本の居酒屋の理想形とされている「コの字」カウンターをインスピレーションに、友人同士はもちろん、他人同士が偶発的に食や店主を介して結びつく空間を提案した。 展示|2018.06-07 プロジェクトチーム設計|ヌーブ*
・歩いて楽しい木のまちなみをつくる東日本大震災で甚大な被害を受けた矢吹町。我々は震災後から四年間地域の方々や専門家と恊働し、「復興まちづくりプラン」を町に提案した。これは内陸被災地だから可能な、中心市街地をまちなか居住の場とする計画で、新しい復興計画のベースとなった。一区自治会館は「歩いて楽しいまち」を実現する、新たな復興計画のモデルとなる建築を目指した。対面する復興公営住宅と外装の色と素材を合わせ、一帯を新しい木造の景観を一体的に形成する「景観モデル地区」と位置づけ、将来的な景観整備への布石とした。 ・居場所としてのまちキッチン建物の中心には、普段時は住民のたまり場として、災害時は炊出場として機能する「まちキッチン」を設置した。 ・木とスチールによる軽やかなハイブリッド構造シェルペンスキーのフラクタル三角形に着想を得て、ユニットの組立てを繰り返すことで1辺10mの大屋根を架けられるシェルペンスキー・トラスを開発。垂直荷重に対し圧縮のかかる斜材に木材を、引張のかかる底辺材にスチールを使うことで、部材断面を抑えた。上り梁の断面が大きくなり頂部の納まりが面倒になる通常の方形屋根と異なり、頂部は各ユニット頂部と同様の簡易な納まりとなっている。 敷地|福島県西白河郡矢吹町竣工|2016.07用途|集会場構造|木造階数|地上2階延床面積|423.85㎡ プロジェクトチーム設計|ヌーブ*構造設計|MID研究所設備設計|エム設備設計事務所照明設計|ぼんぼり光環境計画施工|伸和建設写真|淺川敏
京橋AGC studioにて2013年12月から3ヶ月間開催された、最先端のガラスエンジニアリング事例を紹介する展覧会「STEPS IN THE AIR展」に合わせて設計した。 展示計画にあたり、文字や写真などの展示情報が浮遊して見える状況をつくりだすことを試みた。それを可能にしたのがAGCが開発したLeoflex®という化学強化特殊ガラスである。 ghost tableは、Leoflexの天板に対して、同じくLeoflex4枚で構成する脚部によって支持するという極めてシンプルな構成となっている。使用したLeoflex板の厚さはわずか0.85mmで、驚くほど物質感を感じさせない。このLeoflexの透明感と軽さを最大限に活かすため、脚と天板をネオジム磁石で挟み込んで接合している。また、磁石に挟み込んだプレートからブレース材としてワイヤーを配することで横力に対応させている。 また、展示情報をLeoflex天板底面に直接印刷することで、表面のガラスの平滑性を保持した。これにより、Leoflexがもつ存在の希薄さをできるだけ維持し、展示情報のみが展示空間にあたかも浮かんでいるかのように演出することに成功している。 敷地|東京都中央区展示期間|2013.12-2014.03用途|展示什器 プロジェクトチーム設計|樫原徹+石田祐也施工|MAPALUS写真|太田拓実